3月27~29日までの3日間、早春の八郎潟に、この時期貴重な一本のバスを求めて、釣り遠征に行ってきました。
終わってみれば、充実した楽しい思い出になりましたが、過酷な状況にもがき苦しみました。
この記事では、3月末時点の八郎潟の様子に触れながら、自分がどのように悩み、考え、バスに触れることが出来たのかをドキュメンタリーのような形で書いてみようと思います。
早春の八郎潟の、どの「場所」で、どの「ルアー」を使えば釣れます!と言ったハウツーのような記事ではないのでご了承ください。
・場所:八郎潟東部承水路西岸
・サイズ:47cm、1800g
・ルアー:ドライブSSギル(ノーシンカー)
3月27日(1日目)

八郎潟で3月に釣りをするのは初めてだったので、期待に胸を膨らませながら、STCさんに到着しました。
まだ桟橋が繋がれておらず、シーズンイン前と言った雰囲気です。
空もどんよりとして、見るからに寒そうな雰囲気です。
朝一の気温は8℃、水温は6℃台という状況でした。
時間が経過するに従って、北西風が強まっていきました。
まずは、STC前で手堅く一本獲れたら楽だな~と思いつつ、ジョイクロ・ジャークベイトなどを試してみるものの、なんの反応もなかったので、北の方のエリアを見て回ることにしました。
中央幹線排水路

新生大橋の少し南にある、中央幹線排水路の水門からは、濁った水がすごい勢いで排出されていました。

写真だと分かりづらいですが、明らかに色が違います。
湖上から水門を見て右側にある葦の張り出しの前にはえぐれて深くなっている部分があり、直接の流れは当たっていなかったので、近づいてみると魚探にはたくさんの反応が見られました。
バイブレーションを投げて様子を見ると、魚の体に当たったような感触が。。
おそらく鯉かなんかだと思うので、早々に見切って最上流部を目指しました。
三種川を物色

完全にカフェオレです。
しかも相当な勢いで流れてます。


水の色と流れに加えて、水温は4.8℃。。
一投もせずに見切りました。。。
北のドン詰まり

ドン詰まりのシャローはエンジンで行くのが怖かったので、結構手前から水門に向かってエレキで流していきました。
水温も7℃台と三種川に比べるとだいぶ高いです。
水門に到着すると、こちらも中央幹線排水路と同様に水が川のように流れ出ていました。
ただ、こちらの水は濁りが薄く、良さそうな雰囲気です。
流れ出し口では、おそらく鯉?が、時折りバシャバシャと跳ねていて、生命感に溢れていたので、流れのヨレや水門横の小規模なリップラップを、手を変え品を変え粘ってみました。
ジャークベイトのトゥイッチや、シャッドのタダ巻きで狙うも反応なし・・。
メタルバイブでリアクション狙いに切り替えますが、反応なしです。。
なんの手掛かりもないまま、時間だけが過ぎていきます。
東部承水路西岸
リップラップの中でも、なるべく水深のある場所に絞りながら、ジョイクロ・ジャークベイトで流しながら、要所要所の縦ストではネコリグをキャストし、STCに向けて流していきました。
ボートを流す中で、3回だけベイトを確認しました。
- シラウオ1匹(水面直下)
- ハゼかヨシノボリのような小魚2匹(水面直下)
- 死んで間もないと思われるフナ(水面)
これらをヒントに「2日目はさらにゆっくり攻めてみよう」と思ったことが、唯一、1日目の収穫というか感想でした。
宿で、早春のバス釣りのYouTubeを観ながらヤケ酒反省会をしたのは言うまでもありません・・。
3月28日(2日目)

朝一の気温は、5℃と1日目より低いものの、青空だったため、体感はそこまで寒くはありませんでした。
水温は6℃。
前日の終わり際は9℃まで上がったので、3℃ダウン。
この差が魚の動きにどう影響するのかは、なんとも分からないところです。
1日目の反省を踏まえて臨んだ2日目は、こまめに移動しないことにしました。
そこで向かった先は、承水路西岸の大潟橋北側です。
ここからスタートし、終了の16時まで1日掛けてSTCまでの約4kmを流しました。

以前、エンジンで魚探掛けをしたことのあるストレッチなので「浅い」とか「沈みモノが多い」「ブレイクが入っている場所」などは、なんとなく把握していたのですが、エレキで時間を掛けて流すことで、より小さな変化も把握するように努めました。
ジャークベイト
1日目のジャークベイトから、少しサイズダウンさせて、エバーグリーンのフェイス87を使用しました。
ジャークは弱めを心掛けました。
沖のブレイクに沿わせたり、岸から斜めに巻いたり、ポーズの時間を変えながら探りましたが、やはり何も起こりません。
シャロークランク
こぼれ岩に当てながら、「バスの目の前を横切れ!」と願いながら、投げましたが、こちらも全く反応がありません。。
ステルスペッパー
八郎潟でこんなルアー使う?と思いながらも、シラウオを意識して投入してみるも、やり切れず飽きて途方に暮れてしまいました。
キミかよ!!

岸際をよーく観察していると、岩が動いていました。
(岩じゃなく魚だと気づくまでに2秒かかりました)
魚種までは判別できなかったので、シャローをうろつくデカバスであることを信じて、ジャークベイトをキャストすると、軽く入れたトゥイッチで食いました!!
やっとキターと思ったのも束の間、丸々と太った鯉でした、。
完全にバスだと思っただけにしばらく呆然と空を見上げていました、、。

裏番長に相談
タイムアップの時間が訪れてしまいました。
2日目も全くの空振りです。
持てる引き出しは出し切ったので3日目を放棄して帰りたい気持ちでいっぱいです。
(この時点でハチローにバスはいないと思い始めています。)
藁にもすがる思いで、八郎潟の裏番長こと進藤さんに相談すると、自分の頭には全くなかった情報をご教示頂きました。
これらの新鮮な情報は、3日目に向けた活力となりました。
進藤さん、本当にありがとうございます。
3月29日(3日目)

朝から雲ひとつない青空です。
しかも無風です。
朝一の気温は、なんとマイナス1℃。
車のフロントガラスやボートカバーが凍っていました。。。

水温は、5℃台まで下がってしまい、絶望的な空気が流れました。
まずは、お決まりのSTC前から始めました。
カバースキャットは持っていないので、フリップドムで代用することにしました。
よりスローにフォールするために、通常のセッティングではなく、面積の広い面が下にくるようにセットしました。
やり切れないほどではありませんが、ノーシンカーの釣りは遅いので、精神的に堪えます。
沈んだオダや岩を越えた瞬間のフォールで集中したり、ボトムを取ってからトゥイッチを入れるカバースキャット的な使い方をしてみるも、やはり何も起こりません。。
程なくして、STC対岸のポンプ周辺に移動しました。
このあたりはすごく浅い箇所があったり、変な位置にこぼれ岩があったり、まあまあ危ないのですが、エレキの出力を最小に近く設定し、砂や岩に当たったらすぐに回避する戦法で流していくことにしました。
そこで、残念ながらフリップドムをロストしてしまいました。。。
気を取り直して、もう一度フリップドムをリグろうとしましたが、デッキの上に昨日使用した、ドライブSSギルが落ちていたので、そちらを使うことにしました。
前日まではネイルシンカーを入れていましたが、スローを意識してノーシンカーに変更しました。
ここで致命的なミスを犯してしまいます。。。
フックの挿し口が切れていたので、通常とは逆向き(平らな面が下)にセットしたのです。
動きを確認すると、ロールが大きくなり、かなりスローにフォールするので、よさげだと思い、そのセッティングで使用することにしました。
10時頃になると、朝の寒さは嘘のように暖かくなり始め、あたりには蚊のような虫が飛ぶようになりました。(しかも尋常じゃない数です)
さらに花粉が飛び始めたようで、くしゃみが止まらなくなってきました。
前日と前々日は、そういった事は全く無かったので、春にシフトした瞬間に立ち会えたような気持ちになりました。
顔の周りをうっとおしく飛び回る虫を手で払いのけながら岸際に向かってキャストすると、一回目のフォールの後、ちょんちょんとアクションを加え、二回目のフォールで「コンッ」と明らかな生命感をロッドに感じました。
「バスだ!」と直感し、アワせると余裕で1500gはありそうなバスが姿を現し、エラあらいをしたと同時にハリが外れてしまいました。
。。。
。。。。。
ありえないすよ、、。
ホント泣きそうになりました。
しばらく頭を抱えて動けませんでした。
本当に貴重なバイトをやっと取ったのに、モノに出来なかった自分を呪うと同時に、ある種、バスの反応が得られた嬉しさも込み上げてきました。
そうは言っても、悔しくて悔しくて、その後はキャストに集中できなくなりました。
一旦STCに戻り、ボートに横たわりながら気持ちをリセットすることにしました。
心の中は「なぜ?」「なんでバレた?」「フッキングが弱かった?」「アワセが早すぎた?」「掛かりが浅かった?」など、なぜなぜの連続です。

ここで、思い当たる節がひとつあります。
そうです。ワームを逆付けしたことです。
ドライブSSギルは逆付けをしても、丸みのある面の方が重く、フックが逆さになり、フックポイントが下になった状態でフォールしていくのです。
はい、全部自分のミスです。新しいワームを使わず横着したせいです。
ホント、自分のあり得なさに怒りが込み上げてきました。
気になるストレッチ

もう、99%釣れないだろうと心の中では諦めていましたが、どうしても気になる場所があったので、そこで終わりにしようと思い、向かいました。
八郎潟のリップラップは単調に見えますが、水の中は意外と複雑です。
2日目に散々、魚探を見たおかげで、水深のある箇所は把握しています。
上の写真はボートから5m程度の距離のリップラップです。
ボートポジションの水深は1.2~1.5mほどあるため、岸から一気に落ちているような場所です。
このような水深が100mほど続くストレッチを最後と決めました。
岸から50cm程度のリップラップの切れ目にドライブSSギル(今度はもちろん順付け)をキャストし、4秒ほどフォール、その後2~3回ほど軽くしゃくってまたフォール、回収を繰り返していきます。

100mほど流して、やはり反応が無かったので、ダメもとでSTCへ戻る方面に引き返しながら流していくと・・・
2回目のフォールの際に、先ほどよりさらに弱い「コン」がありました。
バイトだと確信は持てませんでしたが、渾身のフッキングをすると、やっと、、やっとです。

まとめ
散々苦しんだ3日間でしたが、八郎潟はやっぱり最高です。
本当に大好きな湖です。
振り返ると無駄かと思えた1日目、2日目も意味のあるものになりました。
全てが繋がって、出会えた価値ある一本のバスだと思います。
この記事を書いている今日は3月30日です。
今週末(4/2~4/3)には、おそらく状況が変わっていると思います。
ハイシーズンも、もちろん面白いですが、悩んで考えてたどり着いた早春の一本とそこに至る経験は、自分の中でかけがえのない宝物になりました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
バス釣りサイコー!
ハチロー、サイコー!!
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